けテぶれ〜学習力を伸ばす宿題革命〜

自立した学習者を育てるため、「けテぶれ学習法」を考案し、実践しています。教育に関することを千思万考し、見えたものを投稿します。フェイスブック:https://www.facebook.com/shota.kuzuhara ツイッター:https://twitter.com/barikii

けテぶれにうまく馴染めない子に対してどうすればいいのか#3

f:id:human154:20180726185846p:plain

3.ノッてる子を更にのせる。子どもたちを繋ぐ

教師の性分として、できない子、困っている子がいると、助けてあげなきゃ。なんとかしてあげなきゃという感情が生まれる。

そういう場面を丸々否定するわけではないが、すべてを教師がやってあげなきゃ、転ばないように、傷つかないように…と「お世話」をしてしまっては子どもたちに成長は訪れません。僕はこういうことを書くときいつも思い出すストーリーがあります。

 

逆上がりが苦手な子。

その子をできるようにさせたいと、朝から練習に付き合い、放課後も自分の仕事時間を割いてまでその子の練習に付き合った教師。

数日か、数週間か。二人三脚で鉄棒に向き合い、やっと逆上がりができた。

その時その子が言ったのは。

 

「ああ。やっと終わった。これで友達と遊べる。」

 

子どもたちに必要性、主体性が無いまま彼らの外側にあるものを飲み込ませようとしても失敗するんです。

 

ではどうやって必要性を生み出すか。

まず基本的には小テスト。こまめな実力の確認が自己改善の必要性を生む。

 

そして「カマス理論。」(教育フェスwatchaのクロージングでふたせんさんが言っていたやつです)

 

簡単に言うと、

 

カマスの水槽に小魚を入れるとカマスは小魚を食べる。

カマスと小魚の間に透明なプラスチックの壁をつけると、

はじめのうちは壁にガンガン当たりながら小魚を食べようとするが、

そのうち諦めて食べなくなる

次に、その透明な壁を取ると…やはり小魚を食べようとしない。

もう小魚は食べられないものだと思い込んでしまうらしい。

では、魚を食べることを忘れてしまったカマスに再び魚を食べさせるには。

元気に魚を食べるカマスを水槽に入れること。

その姿を見て、小魚を食べられないと思い込んでしまったカマスは、

自分が無意識に作っていた壁をもう一度乗り越え、小魚を食べ始める。

 

子どもたちは本来学ぶことに貪欲です。頭をつかうこと、新たなことを知ることに喜びを感じます。

学びに向かえない子はその成長の中で透明な壁を見出してしまっている可能性が高い。

その結果自分はもう学んでも仕方か無いと思い込んでいる。

そんな子に再び学ぶ喜びを思い出させるには、その子自身へのアプローチではなく、

学ぶ喜びを素直に受け取れる子をできる限り輝かせる。こういうベクトルも非常に重要です。

上位層を学びの生みで自由に泳がせる。

その子の姿を見た上位層に行ききれない中の上の子たちがまた海に飛び込む。

するとその次の子たちが…と。

このムーブメントが、最後まで学びに向かおうとしない子達を動かすのです。

 

さらに今回は「けテぶれにうまく馴染めない子に対してどうすればいいのか」というテーマですが、

そのテーマに頭を悩ませている間にも、もっともっと羽ばたける子が教室には必ずいるのです。

彼らの勢いが落ちてしまうことが何より怖いのです。

上位層は自分はもっとできるのに先生にその成長のキャップをはめられることで意欲を減退させていきます。

ここまでしかだめ。このやり方しかだめ。こんな環境で上位層の子どもたちは学ぶ喜びを忘れていくのです。

だからやりたくない子をやらせようとするより、やりたい子をやりたいだけやらせてやる。

一見これはできない子を見捨てた行為に見えますが、上位層を輝かせることは、できない子へもいい影響を与えるのです。

 

そしてそんな多様な表れを見せる子どもたちを繋ぐ。

これはこの記事にも書きました。

色々な化学反応が起きます。

同じ目的同じ目標同じ手段をもった仲間だからこそ豊かに繋がれるのです。

そこで困っている子は友達に手を差し伸べてもらえる温かさに気づきます。

自分の時間を使って困っている子に向き合い、アドバイスをした子は、

困っている友達をほったらかしにせず、手を差し伸べることの重要さ、人の笑顔に触れる喜びを知ります。

彼らは学ぶ喜びはもう知っているのですから。それよりも深い気付きに導いてやるべきなのです。

 

教師がやってしまえば、この喜びは教師が受け取る。ああ先生っていい仕事だなぁと思えるでしょう。

しかしこの喜びを子供に受け取らせてやることができたら。その子の人生に何らかの変化が生まれる…かもしれないですよね。

 

「けテぶれ」は学級経営にも突き刺さる。

子どもたちが、葛原先生のクラスでは友達がたくさんできる。友達と仲良くなれる。

と言いはじめる仕組みはここにあるのです。

 

そのために、学級通信で取り組みをシェアしたり、週一回ノートを見せ合う時間を取ったり、

毎朝班の友達のノートにコメントをしたり、授業と連動させるならばその対話的学びをマネジメントしたりして、

可能な限り、子どもたちが学校にいる間には、集まっているからこそできることをさせてやることが必要かと思います。

 

f:id:human154:20180321075258p:plain

学習界マンダラ