けテぶれ〜学習力を伸ばす宿題革命〜

自立した学習者を育てるため、「けテぶれ学習法」を考案し、実践しています。教育に関することを千思万考し、見えたものを投稿します。フェイスブック:https://www.facebook.com/shota.kuzuhara ツイッター:https://twitter.com/barikii

心マトリクス的学級経営論【閉じたグループ・開いたグループ】

0.はじめに

高学年になると特に、仲良し同士のグループができ始めますね。

グループにも種類があって、その集団がクラスを引っ張ってくれる!みたいなケースもあれば、影でコソコソと陰口を言ったり、やってはならないことをしたり、といったマイナスのオーラを発するグループができてしまうことがあります。

今日はこのあたりをテーマに「心マトリクス的視点」から解説します。

 

1.マイナスグループのでき方

嫌な雰囲気を出すグループってすごく排他的な印象を受けますよね。

なのでそういうグループを「閉じたグループ」と呼ぶことにします。

なぜ閉じたグループができてしまうのか。

その出来方には2通りあります。

①仲良しこよし行き過ぎケース(人を疑う・自己中心的な考え)

女子に多いパターンですね。あまりにも仲良しすぎてずっと一緒。

なぜそんなに一緒にいるか。不安だからですよね。

彼女らのターニングポイントは「仲良しのあの子を信じられるか」です。

もし私がこの子の近くから離れたら、この子はどこかに行ってしまうのではないか。私は一人ぼっちにされてしまうのではないか。そんな疑いの心、不安な心を制御できないと、不自然な関係性になっていきます。

閉じすぎたグループは関わりにくい。「あの子達」と一緒に見られて、嫌厭される。

一人ぼっちの子には声をかけたくなるのですが、グループで固まって他を寄せ付けないオーラを出してしまうと、本当に誰も寄ってこなくなってしまいますよね。

 

さらに、これが行き過ぎると、あまりにも仲良しな雰囲気を作ろうとしすぎておかしくなるというケースに発展します。

私達がものすごく仲良しなのは、他に仲の良くない他者との比較によって認識されます。誰かを排除することによって、自分たちのグループを強固に結びつけようとする。そうしないと不安。

もしくはいわゆる「イケてる」集団のメンバーになりたいがゆえに「イケてない」だれかを必要とする。ここに強烈な排他性が生まれてしまいます。

こうして母集団から切り離されていく。もしくは自分たちから離れていく。

阻害された側はいい気分にならない。

この場合の「阻害された側」というのは「グループに入れてもらえない他の子達」であり、「グループを作っている本人たち」でもある。

という構造がかなりタチが悪い。教室内すべての子が嫌な気分になる。 

いい気分じゃないことをグループのメンバーと共有し強化する。

疑いの芽が生まれる。こうして負の感情が教室内にうずまき始めます。

  • どうせ私達以外の人間は私達のことをわかってくれない
  • どうせ私達以外の人間と関わっても面白くない
  • 私達だけ楽しかったらそれでいいじゃん。私達だけの暗号を使おう。コソコソ話をしよう。どうせ私達以外の人間がこの話を聞いたら私達を責めるだろうから。
  • 私達が楽しくなるために、相手の悪口をいおう。そしたら、自分たちがなんだか優位に立った気がするから。
  • どうせあいつは自分のことが嫌いだから、あいつがいないところで悪口を言おう。仲間を集めよう。
  • ちょっとあいつが見ているところでコソコソ話をしてやろう。自分には仲間がいることを知らせてやろう。

②やんちゃ行き過ぎケース(心に負ける・正当化する)

これは男子に多いケースです。

やるべきでないこと、危険なこと、バカなことをやって喜ぶ。

始めのうちは可愛いものです。

 

彼らのターニングポイントは「関係ない友達が嫌な顔をときにストップをかけられるかどうか」です。

 

「それやめて」「いいかげんにしろよ」この言葉に、「は?」と言ってしまえばそれで終わりです。

どこまでも落ちていきます。

集団で宿題を提出せず、先生が怒っている姿をみてニヤニヤする。

誰かを集団でからかう。いじめ。

平気でここまで落ちていきます。

 

こうして母集団から切り離されていく。あるいは自分たちから離れていく。

いい気分じゃないことをグループのメンバーと共有し強化する。

  • いいじゃんいいじゃん。ばれないばれない。
  • 一人でサボるのはドキドキするけど、仲間と一緒ならスリルがあって楽しい
  • だって〇〇ちゃんもやってたし。私だけじゃないし。
  • は?なんで俺だけ?みんなやってるじゃん。意味わからん。
  • どんどんやってやれ!正しいのは俺達だろ!

こうして2通りのルートからマイナスグループは発生してしまいます。

 

③両グループが共鳴するケース

更に悪いことに、この2通りのマイナスグループはお互いに共鳴しあってしまいます

仲良しこよし行き過ぎグループやんちゃ行き過ぎグループ

・どーせ認められてないんだから、真面目にすることないわ。

・不真面目に振る舞っているあのグループ。面白そう。

やんちゃ行き過ぎグループ仲良しこよし行き過ぎグループ

・なんやねん。なんで俺らがちょっとなんかするだけで怒られないといけないんだ。

・アイツらもクラスの人間を嫌っているよな。気が合うかも。

 

こうして男女の非行グループができてしまう。

想像できますよね。無茶をする人間と、それをニヤニヤ見ている人間で構成される非行グループ。このグループの構造はこうなっているのです。

 

 

2.初めは純粋な感情だった

 

初めは単に仲良しだったんです。

初めは単にやんちゃだったんです。

 

でもこの子達は疑いの心に支配されてしまった。

自分以外に疑いの目を向け続ける人生とは本当に不幸です。

どうせ人間はどうせこの世はとどんどん疑いの範囲は広がり、親友だと思っていたあの子のちょっとした振る舞いでその子までも疑ってしまう。暗く狭い世界でひとりぼっちだった。

 

強い心で自分を律する事ができなかった。

その結果自分は悪魔のような姿になってしまった。

虐待夫婦の例。

なぜあんなにひどいことができてしまうのか。

家族という閉じた集団において、構成メンバーの一人(父か母)が子供に辛く当たる。

それをみたもう片方が、止めずに、乗ってしまうと、もう終わり。

誰も止められない。どんどん感覚が麻痺していく。

気づいたときには自分の顔は醜く歪んでいた。そして自分の手元には何も残らなかった。

 

3.心マトリクス的に

もうお気づきかと思いますが、心マトリクスで「閉じたグループ」はここに位置づきます。

 

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もう少し心マトリクス的に解説すると、①仲良しこよし行き過ぎケースは「女子に多い」といいましたが、性格には「月属性の子に多い」ケースです。こういうことをしがちな子って、学校の行事は真面目に取り組んだり、勉強はよくできたりする事が多くないですか?

それは彼らが月属性。つまりやるべきことに目を向けて努力することは得意だからです。しかし、人を疑ってしまう。

 

そう考えると、②やんちゃ行き過ぎケース。これは「太陽属性の子に多い」ケースですね。

彼らのやることは他の子達にとってどこか魅力的で面白く映ったりします。過去、ヤンキーグループがどこか魅力的に見えたのは彼らが太陽属性であることが多かったためですね。しかし彼らは心に負けてしまう。

 

同じ属性で集まりすぎると、自分たちの弱点を補い合うことができず、強めあってしまいます。

閉じたグループではそういう事が起こるのです。

 

そして弱点を強めあった者同士は、共鳴してしまいます。負のエネルギー同士で陰陽が共鳴する。

その結果、集団を崩壊させるほどのエネルギーをもってしまう。 

 

4.どうすればよかったの? 

①現在位置を知る

僕の考えでは、なぜそうなったかという原因を突き詰めたり、もっとこうするべきだよね!と価値を押し付けてもあまり効果的でないと思っています。

勉強が嫌いな子に、もっと勉強しなさい!っていい続けても効果がないように。

 

ではどうするか。

 

全体の関係性の中での現在位置を知らせる。

 

これに尽きると思います。

 

「けテぶれ」では小テストによって自分の現在位置を正しく把握させます。

そこでの危機感が、必要性を生み、学習態度を前のめりにさせていくのです。

 

生活態度を前のめりにするには。

やはり、心マトリクスを使って今自分がどの位置にいるのか。これを正しく把握させることが大切だと思います。

彼らは無自覚にただ純粋な感情に流されるがままになっている場合が多いと思うからです。

その流れの先に何があるのか。いまやっていることがどういう流れを生んでいるのか。

このあたりを、全体の関係性の中で自覚することによって、自らの方向性を選択できるようになると思うのです。

全てはそこから。

 

②反対を考える

心マトリクスでは、月と太陽という2つの軸のネガティブ面とポジディブ面をかけ合わせて4象限を作り、人間社会を説明しています。

なので自分の現在位置が分かればそれと反対属性の場所を考えることによって、自分のあるべき姿、やるべきことが見えてくるのです。

つまり自分がいま「閉じたグループ」を作りかかっていると自覚したならば、それと反対側の位置に「開いたグループ」を想定することができる。するとそこでやるべきことが見えてくる。

あとはそのやるべきことを極限まで具体化するのみです。ここでは多くを語りません。「開いたグループ」の位置付けをみてご自身で考えてみてください。

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5.最後に

人としての在り方という広大で曖昧模糊とした概念のなかで自分がどの位置にあるのか。

これを子どもたちになんの手立てもなく自覚させようとするのは至難の業です。

だから、心マトリクスを作りました。

 

心マトリクスが人としての生き方すべてを包括しているとはとても言えません。

でも多くのケースがこの心マトリクスを使って説明できることもまた事実なのです。

まずは守破離の「守」。人としての在り方を考えるためのファーストステップとして、このマトリクスを軸として思考することは非常に有意義だと思うのです。