けテぶれ〜学習力を伸ばす宿題革命〜

自立した学習者を育てるため、「けテぶれ学習法」を考案し、実践しています。教育に関することを千思万考し、見えたものを投稿します。フェイスブック:https://www.facebook.com/shota.kuzuhara ツイッター:https://twitter.com/barikii

けテぶれ×学習界マンダラ

詰め込みか、自主性の重視か。

 

教育界はこの2つのイデオロギーの間を行ったり来たりしてきました。

「系統主義と経験主義」と言い表されることが多いですね。

 

まあ要するに、教科の内容を定着させることを重視するか、学習者の自主性を重視して生活に直結するような学習を重視するか、ということです。

陰陽論的に言えば、学習者の知識構造の定着を測るという内向きの方向(陰)と

学習者の生活体験を重視し、学ばせようとする外向きの方向(陽)があるわけで、

教育界が両極を往還しているのは自然の摂理なんですが。

 

まあ両極、テーゼとアンチテーゼがあるのなら、それらを止揚アウフヘーベン)すれば最適解が求められるわけで、今日はその答えを書きます。(大きな口を叩いている)

仏教的に言えばその「中道」こそ最良の道でありますゆえ、二者択一の間を取りたいわけです。

 

つまり、教科の内容を確実に定着させつつ、学習者の自主性を育て生活に直結する学びを提供する。

 

こういう教育のあり方を示します。

 

そのために…

目標目的を使い分けます。

目標とは、最終地に向うための標。

目的とは、最終地。

です。

 

その上で、

 

学習する目標はテストで100点を取ること。

学習する目的は自分で学習する方法を学ぶこと。

 

とするのです。

指導者は学習内容を学習者に伝えることはほぼありません。

学習方法を伝えるのです。

 

学習方法とは。

1.わからない問題に出会った時はどう対処すればよいか。

2.インプットし定着させるためにはどうすればいいか。

3.問題がわかってしまった後はどうすればいいか。

基本的にはこの3点。

さらに、学校に来て学ぶわけですから、

学校でする集団学習と、家でする個人学習の方法も伝えます。

 

これが学習方法です。

これを身につけるために、テストで100点を目指してがんばるのです。

先生は学習内容を教えてくれませんから、テストの点がすなわち自分の学習方法に対する点数と同義になります。(まあ教科の得意不得意も絡んできますがネ)

 

個人学習の方法は「けテぶれ学習法」として確立しました。

このブログでもたくさんの記事がありますのでそちらを御覧ください。

 

今日は集団学習について書きます。

学習する目標はテストで100点を取ること。

学習する目的は自分で学習する方法を学ぶこと。

これを実現する集団学習とはどのようなものか。

 

私はそれを「循環型集団学習」と命名しました。 

そしてその流れを図に表したものを「学習界マンダラ」として作り出しました。 

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キーワードは「循環」です。チャートを見てわかるように、矢印をたどっていっても、行き詰まってしまうところが無いことがわかると思います。(「教えてあげる」からの矢印はチャートが煩雑になることを嫌い、示していませんが右の赤と黄色に繋がります)

 

集団で学習をすると当然、「できる子」と「できない子」が出てきます。

当然です。教科や内容によって「できる子」「できない子」の構成メンバーは変わります。どの子も「できない子」になる可能性があり、その立場を経験させることはとても重要です。

 

では「できない!」となった時にどうすればいいか。

学習方法を伝えるときにはまずこれを指導してやらねばなりません。

 

1.わからない問題に出会った時はどう対処すればよいか。

チャートの「テスト」から始まる縦方向です。

まずは、一人で悩まなければなりません。

次に、同じように悩んでいる友だちと一緒に悩みます。

最後に、知っている友だちに教えてもらいます。

このステップを踏まないと自身の思考は深まりません。いきなり教えてもらっていては、結局学習内容を先生に教えられるという構造と変わらなくなります。

上越大学の西川教授が提唱する『学び合い』(二重括弧の学び合い)ではこのような状況に陥りがちです。すぐに教えてもらう。すぐに助けを求める。社会性という意味では非常に大切ですが、学習の深まりという意味ではあまりにも貧しい。

 

2.インプットし定着させるためにはどうすればいいか。

一人で考えたり、仲間と考えたり、誰かに教えてもらったりして答えにたどり着くと、これがわからなかったのか。こういうことだったのね!という納得感が得られます。

これがあるべき学習の学びであり、良質なインプットです。

得られたインプットは書いておかないと、忘れてしまいます。

そのために「キーカード」を使います。(チャートの左端です)

いわゆる暗記カードのようなものです。カード大の厚紙をリングでとじてあります。

ここに得られたインプットを書き出します。これで忘却のリスクはなく成りました。

次は「定着」を目指します。

知識を定着させるための方法は単純で「何度もみる」ことです。そのためにカード大のツールに書き込みます。これを引き出しに入れておいて、学校生活の空き時間にすかさず取り出してペラペラとみるわけです。(学校生活でこういうちょっとした空き時間と言うものは大量に発生します。このキーカードの取り組みだけでも破壊力抜群のブレイクスルーです

 

以上が「わからない!」となったときの対処法です。

 

①よく考えること

②考えて得られた知識は書き留めること

③書き留めた知識は何度も見て定着させること。

 

この3点ですね。

 

次に「できる子」たちへの指導です。

彼らには「横に広げる」「縦に深める」という2つの方向を示します。

(これも陰と陽で説明できます笑)

 

3.問題がわかってしまった後はどうすればいいか。

 3−1「横に広げる」

「横に広げる」とはチャートの上辺、赤色の矢印で示した方向性です。

これは単純で、問題が出来たら、次の問題に行きましょう。というだけです。

従来の学校教育との違いは、問題をすすめるにあたって習っている習っていないは判断の基準にならないということです。習っていない所までどんどん進める。教室には受験レベルの難しい問題集も置いておいて、ガンガン挑戦させる。

指導者は学習内容の指導が目的ではなく、学習方法の指導が目的ですから、どんどん知らない問題、わからない問題に挑戦してほしいと思っています。

習ってないところまで行ってはいけません!なんてセリフは子どもの可能性を潰す最低の指導ですね。

さらにここにはナナメの方向性も用意しています。横に広げる方向性でありながら、理解を深める事にもなる「問題を作る」という学習です。(チャートの右上、黄色の矢印の先にあります)

これは教室に白紙をたくさん用意しておき、表に問題ウラに答えと解説を書くというものです。学習内容を深く理解していないと作ることは出来ませんし、作ろうとする中で学習内容が深まっていきます。

さらにドリルや教科書の問題数には限りがありますので、それらを問いてしまってもっと問題をときたいのにもう全部やっちゃった!という状況を解決します。

「解く」と「作る」を循環させる事により、暇を持て余す子どもがいなくなります。つまり、ドリルや教科書の問題が余裕で解ける子たちも、授業時間のすべてを使って知的活動ができる状況になるということです。

作られた問題は、全員分印刷し、ファイル(キーファイル)にとじさせます。すると、ドリル、教科書に加え、もう一つ自分たちで作った問題集が出来上がるわけです。

 

 3−2「縦に深める」

これは上のチャートの「解ける」から下にのびる青の矢印で示された方向性です。

理解の深さは3段階あると指導します。

 

①その問題が解ける

②その問題の答えががなぜそうなるのかを説明できる。

③その問題が解けなくて困っている友だちに教えてあげられる。

 

という3段階です。

これを指導すると、「解ける」段階に行った子どもたちの中でその問題を「説明」しようとする子が出てきます。学習の基本はまず一人で考える。次に仲間と。自分の「説明」がどうか、人の「説明」はどうかということを比べ、さらに理解を深めます。こうして初めて人に「教えられる」という段階に移行できるのです。大した深まりもなく子供同士で教え合わせることは大変危険です。上越大学の西川教授が提唱する『学び合い』ではこういう状況が頻発します。)

こうして「解ける」子どもたちの理解を深めさせる方向性は、前述した「解けない」子どもたちが取る最終手段「誰かに教えてもらう」という方向性と互恵関係を結びます。

ここでも学習の循環が生まれ、子どもたちが有機的に繋がり合いながら集団学習をします。

さらに、理解を深めた先にも「横に広げる」という方向性を用意します。それは「単元のポイントをまとめる」「勉強法のポイントをまとめる」という学習です。これは「教えてあげる」という一対一の関わりではなく、誰もが分かりやすく見やすいように、「キープリント」に書くことで1対多の性質を示します。(これも教室に用意してある白紙をつかい、思いついた子が思いついた時に書きます)書かれた紙は教室のファイルに整理し、ちょっと学習につまずいた子がそのファイルから自分の役に立ちそうな「キープリント」を探します。見つかれば、先生にコピーをお願いし、前述した自分のキーファイルにはさみます。

こうすることでキーファイルは問題集という側面と参考書という側面が現れます。

※「勉強法のポイントをまとめる」という学習には凄まじい学びの成果が現れます。この記事では書ききれませんので別の機会に譲りますが、「けテぶれ学習法」との連動で、生活に直結した学びを生み出す大きなポイントはここにあります。

 

これらを一つにまとめたチャートが下図です。

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私はこれを「地図」と表現します。学びの地図。

学びの道はどう広がっているかを示すもの。

彼らはこの地図を手に、テストで100点という目標を目指しながら、自分で学習する方法を見に付けていくのです。

ちなみに、今時分はどの位置にあって、次にどこを目指すべきかという情報を与える「コンパス」は「けテぶれ学習法」にあたります。自分の課題を見極め、乗り越えるのが個人学習のあり方ですから。

 

いかがだったでしょうか。

以上が、教科の内容を確実に定着させつつ、学習者の自主性を育て生活に直結する学びを提供する、循環型集団学習の概要です。

 

 

詰め込みか、自主性の重視か。

教育界が右往左往しているこの2つのイデオロギーの真ん中を貫く学習デザインになってはいないでしょうか。 

まだまだ語りたいことは山のようにあります。

今回は「どうやって」やっているのかを中心に語りましたので「なぜ」やっているのかが見えにくいかもしれません。

 

また書きます。

 

今日はこのへんで。