けテぶれ〜学習力を伸ばす宿題革命〜

自立した学習者を育てるため、「けテぶれ学習法」を考案し、実践しています。教育に関することを千思万考し、見えたものを投稿します。フェイスブック:https://www.facebook.com/shota.kuzuhara ツイッター:https://twitter.com/barikii

自己学習力を獲得させる「けテぶれ学習法」とはなにか②

ここでは「けテぶれ学習法」を確実に獲得させるための手立てと学習の質を最大限に高めるための様々な仕掛けを紹介します。

 
学習力を養うために必要な3要素 「目標の設定 目的と意義の理解 方法の獲得」の内、「目標」と「意義」は聞いて理解すればそれで良いのですが、
 
方法の獲得」には
明確な理論に基づく指導十分な練習量
保証しなければなりません。
 キーワードを羅列すると以下のようになります。
  • 「け」テスト計画の明示・実力と努力量の可視化
  • 「テ」実力の自己確認
  • 「ぶ」間違い分析
  • 「れ」友だちとの交流
  • 小テストは4回繰り返す
  • スキマ時間に活用できる学習ツールの活用
  • けテぶれは宿題でやる⇒圧倒的な練習量の確保

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  • 計画 テスト計画の明示 実力と努力の可視化

小テストは定期的に行うと述べました。その計画は、1ヶ月単位で表にし、子どもに知らせます。単元まとめの大テストについても、行う日は必ず事前に知らせます。いつテストをやるのかを意識しないと、学習計画は立てられません。
 
そして、小テストの結果は表にまとめます。さらに、努力の結果、つまり日々の宿題で取り組んだページ数も記録します。けテぶれ表)
 
下が簡略化したけテぶれ表です。
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こうすることによって、
 
今自分はどの勉強が足りていないのか、いつまでに何をしなければならないのかということがひと目でわかります。
 
子どもたちは毎日その日の学習をする前に、テスト計画とけテぶれ表を見て、どの箇所を学習するべきかを検討するのです。
 
(学習のページ数に応じてシールのご褒美や、100点の数を数えてクラスで合計する100点メーター(100点が500枚集まったらお楽しみ会!)など、努力に対する報酬も設定します。)
 
  • テスト 実力の確認
やらなければならないことが見えたら、まず自分で「テスト」をしてみます。つまり、弱いなと思う学習内容に対応するドリルの問題を本番のテストのようにやってみるのです。この時、時間を測ったり点数にこだわったり本当のテストに近づければ近づけるほど、効果が高いと教えます。
 
高い緊張感の中でこそ自分の弱点が浮かび上がり、
プレッシャーになれることで焦りによるケアレスミスを防ぐ事もできるのです。
 
丸付けはもちろん自分で行います。間違っているのに丸をしてしまうことがいかに怖いかということも伝え続けます。
 
そして自分でやるテストでも、学校でやる小テスト、大テストでも、やってみた結果
100点が取れた場合、それは間違いなく自分の努力の結果であり、
 
自分は努力して自分の力を伸ばすことが出来るという
  自分の能力に対する自信
 
と、なんだかわからいけどがむしゃらに頑張ったからではなく、
 
自分は「け・て・ぶ・れ」をやったから、取れたのだという、
  努力の方法に対する自信
 
をつけさせることが出来ます。
 
テストの結果100点が取れなかった場合、その原因は自分のノートにすべて詰まっているため、そこで学習法の再検討をする必要を生み出す事ができます。(“必要を生み出す”事が次期学習指導要領の主眼である「主体的対話的な深い学び」の核心だと思っています。この辺りはまた別記事で)

必要を生み出せば子どもたちは主体的に対話する-宿題と授業の連動を切り口に

自立した学習集団になるために。ー主体的・対話的深い学びへ向かう授業のあり方

 

  • 分析  誤答分析
間違えた問題は、なぜ間違えたのかということを分析しますその時、
 
分析の視点を与えてやることで、分析の質を上げることが出来ます。
 
上の動画でほぼ説明出来ていますが、一応文字でも書きます。
 
誤答を分析するとだいたい4分類に分かれます。
  1. 問題の意味がわからない(読めない)
  2. ちゃんと読んでなくて、勘違いしていた
  3. 問題の解き方がわからない解けない
  4. 解けたのに間違えた
  5. その他(分類するときは必ずイレギュラーを受け止める場所を作ります)
 これを上から「読1」「読2」「解1」「解2」「他」とラベリングします。
こうすることで「読」のミスが多いのか、「2」(つまりケアレスミスですね)が多いのかと、キッチリと枠組みとして自らの学習を分析することが出来ます。
そして、それぞれに対する対処法は必然的に…
  • 読1⇒読解力の問題。語彙を増やすか、読解力を上げる
  • 読2⇒見直しを徹底する
  • 解1⇒けテぶれ学習法の質を挙げる
  • 解2⇒見直しを徹底する。
と言った具合になります。 
私のクラスを例に上げると、
 
「2」(ケアレスミス)が多い子はテスト開始直後に「見直しはしましたか!?」と、最終問題の後に書く習慣をつけることで、その苦手を克服しました。
 
「解1」(解けない)が多い子は、授業中や、あとで説明する「宿題交流会」、休み時間でも友だちや先生にわからないところを聞こうとします。
 
 「読1」(読めない)は、国語の領域ですね。これをカバーする実践は「絵図音読」として、システム化しています。また書きます。
 
 これらの行動は、自分はどういう間違いが多いかということを明確に自覚しており、それを解決しようとすることが自分にとって有益だと思えるからこそ促されます。これが”必要を生み出す”ということです。
 
必要が生まれたら、場を設定します。授業時間に教師の知識伝達の時間を最小限にし、子どもたちが自身の課題を解決するために学びあう時間に多くの時間をさきます。わからないから教えて!という時間をできるだけ多く確保するのです。こうすることで子どもたちは、「主体的、対話的」に学び始めます。
下の記事に詳しく述べています。
  • 練習 学習方法の獲得

勉強法を改善したい!という必要を満たす場として、私のクラスでは週に1回、
「宿題交流会」を行います。ここで主に交流するのは、「け・て・ぶ・れ」の「れ」つまり、弱点を克服するための「練習方法」です。言い換えると、「学習法」ですよね。
 
克服すべき課題に対して、アプローチの方法をたくさん持っているということは、「自立した学習者」としてとても素晴らしいことであると伝えられます。
 
「宿題交流会」の流れは、自分のノートの中でこの学習をみんなに見てほしい!と自信があるページを開いて机の上においておき、赤鉛筆を一本もって、友だちのノートを見て回るというものです。
いいなと思ったノートにはどんなふうに良かったのかを書いてあげます。
 
この時、友だちのノートをたくさん眺めていても何がいい学習なのかわからないという子のために、日々子どもたちの宿題をチェックする時に、素晴らしい学習に取り組んでいるノートには、先生がサインをしています。どんな学習が良い学習なのかわからない子どもは、とりあえず先生のサインが書いてあるノートを見つけ、その良さを分析するという事ができます。
 
時間が来たら席に戻り、誰のどんなところが良かったのかを自分のノートにまとめ、次の日の学習にいかします。
 

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例えばうちのクラスでは漢字が覚えられない!という課題に対して、
  • 語呂合わせ
  • 部首に着目する
  • 熟語とセットで覚える
  • 書きまくる
などたくさんの練習方法が出ました。
 
更には漢字クロスワードなど、勉強法を工夫する中でゲームが生まれることもあります。これはテストで100点には繋がりませんが、勉強を楽しんでいますよね。こういう取り組みはどんどん認めていきます。 
 
・スキマ時間に活用できる学習ツール
その他の学習ツールとして、自分の苦手を集めたカードを丸リングでまとめ、スキマ時間に学習するという方法もあると思います。年齢が上がるほど、有効に使えそうですね。ポイントは、単語カードなどとして売っているものを“与えられる”のではなく、自分の苦手を分析した結果、必要な知識を抽出して、“自分でカードを作る”という点です。
 
 
・小テストは4回繰り返す
小テストは現状把握の道具としても活用するため同一のテストを合計4回行います。
そのサイクルは、「月曜日⇒水曜日⇒次の週の月曜日⇒一ヶ月後の月曜日」です。こうすることによって、一度目で100点が取れなかった子どもも、再度チャレンジし、100点を目指すことが出来ます
 
 また、この4回のテストサイクルは「エビングハウス忘却曲線」という理論にのっとっています。「記憶を定着させるためには反復学習が必要で、そのタイミングとして最も効果的なのが、このサイクルである」という理論です。一度学習したきりの内容なんて忘れて当然です。4回繰り返すことによって、学期末になってその学期に行った学習の定着率を飛躍的に高めることが出来ます。
 
 
 ・けテぶれは宿題でやる
 そして忘れてはならないのは、「け・テ・ぶ・れ」による自己学習は、
(けテぶれ表を見て、その日の学習を見通し、ドリルを開いてテストをしてみて、間違えたところを分析し、それを克服するために練習するという学習)
「宿題」において取り組むということです。それは何を意味するかというと、
 
毎日やる
 
ということです。しかも、算数の学習と、漢字の学習の2教科において。学習法指導の質は上記で書いたとおり、千思万考して洗練させました。子どもたちはその学習を宿題において毎日やるのです。 
これにより、週1時間授業時間を設定するという学習に比べて、
 
圧倒的な経験量を確保できます
 
 
いかがでしたでしょうか。
これが学習力を獲得させる「けテぶれ学習法」の全容です。
 
 
はじめに述べた通り、
「学習力」育成に必要な3要素、「目標の設定 意義の理解 方法の獲得」のうち、目標と意義は聞けば済みますが
方法の獲得には明確な理論に基づく指導十分な練習量が必要です。
 
つまり、
指導の質練習のを担保しないと学習法を習得することは出来ないのです。
けテぶれ学習法ではそれが実現されていることがお分かりいただけたでしょうか。
 
 
次回は、この学習法を経験した子どもたちがどんなことを感じ、姿を見せるのかということをお伝えします。